イスラム教スンニ派の過激派組織が、日本人を拉致し、人質に取ったというニュースが連日報道されております。なんとかお二人とも無事に帰国してほしいと願うばかりです。
当院の本山である比叡山延暦寺では、毎年、8月4日に国内外の宗教指導者が集まり平和への祈りを捧げる「世界平和祈りの集い」が開催されております。
今、問題となっている中東情勢については、2012年の「祈りの集い」にいらっしゃったシリアの宗教指導者の方が、その惨状を訴えておりました。
かれによると、シリアにもたらされたこの混乱状態はもともとは役人の不正行為に対する市民たちの平和抗議運動が要因であったとされております。それが、エジプトなどであった「アラブの春」とよばれる変革に乗じて、徐々に各地に広がり、シリア各都市は不安定化していきました。この不安定化は、シリアの中心都市へと波及し、政府建物や公共施設へ放火など暴力行為へと繋がっていったとことです(詳細はPDF資料参照)。
2012年の段階では、過激化組織の名は聞かれていませんでした。しかし、その素地となるような集団はあったのでしょう。いずれにしろ、平和抗議運動がこのような内乱を引き起こすとは、なんとも皮肉なことです。
早くこの混乱状態が収束し、日本人の方が解放されることをお祈り申し上げます。