天台宗の最高職である天台座主、その第256世に当たる半田孝淳大僧正猊下の本葬儀に参列してきました。葬儀は滋賀県大津市の天台宗務庁にて行われました。
半田猊下は、長野県上田市別所温泉の出身で、北向観音・常楽寺の住職であられました。京都・曼殊院門跡でも座主職になるまで住職を勤めておられました(座主になると比叡山延暦寺の住職になる)。天台宗内では重要役職を歴任し、とくに「天台宗きっての国際派」として知られ、世界の宗教者が集まり平和を祈る「比叡山宗教サミット」に力を注いでおられました。
1989年には、当時のローマ法王ヨハネ・パウロ2世に山田恵諦座主(当時)の親書を渡す役目を担い、バチカンに渡り、2005年にはフランスのリオンで開催された「世界宗教者平和の祈りの集い」で核廃絶を訴えました。また、他宗との交流も深く2009年には、天台宗のトップとして開宗以来約1200年間で初めて、空海が開いた高野山真言宗総本山の金剛峯寺(こんごうぶじ、和歌山県)に公式参拝をしました。同年にはインドのブッダガヤーにある印度山日本寺の住職(竺主という)になるためインドへ行かれるなど宗の内外を問わずご活躍されました。
天台座主は終身職ですので、98歳という高齢にもかかわらず、上田と大津を往復しながら延暦寺の重要行事の法務を勤めておられました。半田猊下がご遷化により、後継の天台座主は森川宏映大僧正が上任されました。
南無阿弥陀仏 合掌